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・2019年11月6日号
直轄工事の技術提案・交渉方式を改善
現場で取り組みやすい手法で検討


 国土交通省は、直轄工事における技術提案・交渉方式運用ガイドラインを改正する。平成29年の
運用ガイドライン改正後も、手続負担の大きさなどの課題が指摘されており、一層の適用拡大には
現場が取り組みやすくなるようさらなる改善が必要と判断。適用検討の早期化や手続・技術協力の
効率化のほか、技術協力業務の内容充実、施行中の歩掛実態調査などを検討項目案に示した。
 適用検討の早期化では、「仕様の確定度」を踏まえ、計画・調査、予備設計、予算検討等の事業
上流段階から、技術提案・交渉方式の適用が検討されることが重要とし、総合評価落札方式の運用
ガイドラインの選択フローについても改正する予定。総合評価落札方式の技術評価型(S・A型)は、
前提条件が明確な工事に適用し、施工者がコントロールできる範囲において、生産性向上等に係る
提案を求めていく。
 手続・技術協力の効率化には、十分な設計・技術協力期間を確保した工事では、追加調査の充実
、比較的自由度の高い提案の設計への反映を可能にする。設計、技術協力期間が限られた工事
では、設計照査、不確定要素への対処方法の調整を中心に実施。工事の特性(災害復旧、修繕等)
を踏まえた手続の考え方を例示し、自由度を認め、前例の少ない工事ほど十分な技術協力期間を
確保することが必要と見ている。このため、設計、技術協力業務の進め方や役割分担を明確化し、
必要に応じて追加調査、地元及び関係行政機関との協議、学識経験者への意見聴取を行うことを
記載する。 設計業務、技術協力業務、施工の範囲は工事ごとに工夫が見られ、技術協力業務の
対象範囲は橋梁、トンネル等の本体工事に限らず、本体工事を円滑に進めるため、必要な近接工事
を含めた仮設・ヤード・運搬・工程等の調整の効率化を可能にし、手戻りのない確実な施工を可能に
させる考え。 施工段階の歩掛実態調査も追加し、工事費の妥当性については積算基準、特別調査
結果、類似実績等により確認。優先交渉権者の見積を採用し、工事契約を締結の上、必要に応じて
施工中に歩掛実態調査を行い、実態に応じて精算することを追加する。

・2019年11月6日号
直轄工事の適正工期設定 工事工程表の開示をセットで実施

 直轄工事における適正な工期設定の取組を促進するため、国土交通省はその概要をまとめた。
適正な工期を設定するため、準備・後片付け期間の見直しのほか、余裕期間制度の活用、工期設
定支援システムの導入を実施。工事工程を受発注者間で共有し、適正な工期の設定に向けて受発
注者協働の取組みを推進。各地方整備局で取組みを実施していく。
 週休二日制適用工事で工事工程表の開示をセットで実施。入札公告の際に発注者が算定した工
期や関係機関との調整、住民合意などの進捗状況を工程表で示す「工事工程表の開示」をセットで
行い、週休二日をめざす。
 工事工程は受発注者間で情報共有し、工期設定支援システムで作成した工事工程を受注者へ提
示し内容を説明。工事工程に関連する案件(用地関係、関係機関協議など)の対応状況、処理期限
なども明示された工事発注時チェックシート様式と地元・関係機関等との協議未了箇所及び用地関係
(未買収、未引渡し)箇所などを既存の工事平面図に図示した資料を利用。受発注者で工事工程の
問題点を共有していくもので、原則すべての工事(維持作業除く)で実施していく。
 今後は直轄工事における適正な工期設定指針(仮称)を年度内にとりまとめ実施していく考え。

・2019年10月30日号
小出力発電設備 報告徴収を義務化検討

 小出力発電設備の電気保安確保について、経済産業省はその方向性をまとめた。小出力発電
設備についても、報告徴収の義務を課すとともに、事故報告を求めていく考えだ。現行では事業
用電気工作物について、報告徴収の義務が課せられているほか、事故が発生した場合に24時
間以内に速報、30日以内に詳報を提出している。
 現行の再エネ発電設備に対する電気保安規制は、発電容量にかかわらず技術基準への適合
義務があるほか、一定規模以上の発電設備(太陽電池発電50kW以上、風力発電20kW以上)
については、電気主任技術者の選任や保安規程の届出、事故報告の対象となっている。
 今後は小出力発電設備についても、報告徴収の義務を課すとともに、事故報告を求めていく方
向で検討。事故報告を求める際には、小出力発電設備の設置者向けの報告内容の簡素化を検
討。インターネット等を通じた簡易な提出方法、事故報告内容等の整理・分析を行い、得られた各
種知見について、業界団体や設置者のほか、地方自治体等にしっかりと周知展開を行っていくこ
とで検討している。

・2019年10月23日号
著しく短い工期の契約締結を禁止 来年10月から施行へ

 国土交通省は、工期に関する基準の作成でワーキンググループを設置した。注文者は通常必要と
認められる期間に比して、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止。工期に影響を及ぼす事象
で認識しているものについて、契約締結までに通知するよう求める。建設業者についても、工程の細
目を明らかにし、工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を見積するよう求める。また、工事を施
工しない日や時間帯の定めをする場合は契約書面に明記することも求める。いずれも令和2年10月
から施行する予定。
 公共工事の場合、建設工事の受注者(元請)が下請業者と著しく短い工期で下請契約を締結して
いると疑われる場合は当該工事の発注者は受注者の許可行政庁にその旨の通知を義務化。著しく
短い工期で契約締結した発注者に対して、勧告を行うことができ、従わない場合はその旨を公表す
ることができるとする。
 ただ、著しく短い工期の判断基準では、工事の内容や工法、投入する人材や資材の量などによる
ため、一律に判断することは困難と見ている。このため、休日や雨天など中央建設業審議会で作成
した工期に関する基準で示した事項を考慮しているか、どうかの確認が必要とした。過去の同種類似
工事の実績との比較や建設業者が提出した工期の見積の内容の精査など行い、許可行政庁が工事
ごとに個別判断する考え。
 

・2019年10月23日号
安全衛生対策を確認 チェックリスト工種ごとに作成 年内中にまとめる


 安全衛生経費が下請まで適切に支払われる施策(案)を国土交通省がまとめた。元請業者(注文者)
と下請業者が建設工事の請負契約を締結する際、双方が工事に必要な安全衛生対策を確認しやすい
ようなチェックリストを工種ごとに作成。その普及を図っていく考えで追加・変更契約も同様とする。施策
については年内中までにとりまとめる予定。
 チェックリストには、工事種別ごとに必要な安全衛生対策の標準的な項目、手続きの流れなどを記載
。ニーズが高い工種から順次作成し、作成にあたっては元請業者・下請業者などを構成員とするワー
キンググループを来年設置する予定。
 また、安全衛生経費の適切で明確な積算を行うためのチェックリストを検討。現行の公共土木工事
や公共建築工事の積算体系における安全衛生経費の積算方法について、特に高次の下請となる業
者へ周知し、意識啓発を図る。
 足場や交通誘導警備員など個別に積み上げにより、積算されている安全衛生経費については、民
間工事を含め、できる限り積み上げによる積算を推奨。高次の下請業者を含め広く浸透するよう、意
識啓発のための支援ツールも作成する。
 工事全体に共通して必要となるバリケードや標示板、保護具類、安全訓練等に要する費用など、特
定の費用区分の総額に一定率をかえる方式で算出する安全衛生経費については、工事コスト構造の
実態を把握するために行われている諸経費動向調査を参考に、諸経費率や算定式を改定した場合に
はその内容について、地方公共団体や建設業者の参考となるようわかりやすく周知することにしている

 安全衛生経費の範囲では、個々の建設工事現場ごとに必要となる安全衛生対策の内容や規模等が
異なること、また今後の技術の進展等による変動も予想されるため、具体的な安全衛生対策の項目に
よる整理ではなく、必要不可欠な経費と位置づけ。安全衛生対策について、受発注者相互の認識のズ
レの解消や安全意識の共有を図る取組を進めていく。
 このほか、民間企業を含め、施策の効果をより波及させていくため、建設業法第19条3に規定する
「通常必要と認められる原価」に満たない金額での請負契約の禁止を徹底。立入検査を通じた法令遵
守も徹底し、安全衛生経費の確保のためのリーフレットも充実させる。
 また、インターネットやSNSなどで情報も発信するほか、ガイドブックや事例集をホームページ上で一
元化させるなど、周知も行っていくことにしている。



・2019年10月9日号
建設キャリアアップシステム運用の設備投資 税制優遇を要望 日建連


 日本建設業連合会は、来年度の税制改正要望をまとめた。この中で、技能者等の確保・育成のため
の投資に係る税制優遇のほか、生産性向上に係る設備投資や建設キャリアアップシステムの運用に
伴う設備投資などの税制優遇を明記。PFI事業者に対する事業所税の課税・非課税の整理なども盛り
込んだ。
 技能者等の確保・育成のための投資に係る税制優遇には、生産年齢人口が減少していく中で、建設
業は他産業に比べ技能労働者の高齢化が進んでおり、生産体制が破綻しかねない極めて危機的な状
況にあると指摘。建設業界挙げて技能労働者の処遇改善を推進し、賃金アップや社会保険への適切
な加入、さらには週休二日制定着など、確保した技能者の育成と定着に係る取組みの税制優遇を要
望。具体的には育成等のための支援費の損金算入、教育訓練費の税制控除制度を現状の「賃上げ・
投資促進税制」から独立させ、要件の緩和も求めている。
 生産性向上に係る設備投資等の税制優遇には、会計上資産計上されたOA機器、ソフトウエア等の
即時償却、税額控除を要望した。(ソフトウエアの場合、将来収益獲得(または費用削減)が確実に見
込まれるものが資産計上される)
 建設キャリアアップシステムも同様に、設備投資等に係る税制優遇を要望。設備投資に関する即時
償却、税制控除のほか、技能者を登録する際の代行申請に係る費用を元請が負担する場合の負担
費用の損金算入を求めている。
 このほか、近年案件が増加しているPFI事業を促進するための税制改正を要望。公共施設等運営権
の登録等に係る登録免許税(軽減)措置の拡充や同運営権者の株式購入に対する優遇措置の創設
(法人税)、BOT方式のPFI事業における固定資産税等の特例措置の拡充、大規模修繕等に備えた
修繕積立金制度の創設、PFI事業者に対する事業所税の課税・非課税の整理を要望した。
 PFI事業については、指定管理者制等を導入しない事業においても、サービス購入型のPFI事業
で事業所税を非課税とする事を要望。混合型のPFI事業における事業所税の課税・非課税を公共か
ら支払われるサービス購入料と利用料金収入の比率を勘案し、判定することを要望。公共から支払
われるサービス購入料が一定(5割)を超える場合、事業主体は地方公共団体と判断できるため、
事業所税は非課税とする事を求めている。
 例えば学校給食センターPFI事業などは、給食費の徴収管理や献立作成、提供数などの決定等は
地方公共団体が行っている。このため、実質的な事業主体は地方公共団体と判断されるため、事業
所税を非課税とする事を求めている。




・2019年9月11日号
建設工事公衆災害防止要綱を見直し 関係者責務を明確化

 建設工事公衆災害防止対策要綱を国土交通省が改正した。公衆災害防止に向け、関係者が持つ
べき理念と担うべき責務を明確化したほか、近年の公衆災害の発生状況を踏まえた見直し、制度の
改正や施工技術の進展等を踏まえた見直しを行う。9月2日付で施行した。
 要綱の見直し内容では、発注者や施工者のみならず、設計者も含めて公衆災害防止に努めることを
規定。工事に伴う事故リスクや社会活動への影響を最小化すべきことも規定。適切な工期の確保、公
衆災害防止対策経費の確保についても明示した。 近年の公衆災害の発生状況を踏まえ、発生頻度
の高い、埋設物の損傷や建設機械の転倒事故等の防止措置の充実を規定。施工前に必ず、埋設物
管理者等が所有する資料(台帳等)と設計図面の照合を行うよう明示。位置等を示した標示板が明確
に認識できるようにし、その情報を作業員に確実に伝達することも規定。建設機械の施工時及び移動
時における具体的な措置も規定し、定められた用途以外の使用を禁止。建設機械の能力を十分に把
握・検討し、その能力を超えての使用も禁止とした。建設機械の移動等でも、路肩や傾斜地などでの
作業を行う場合は、交通誘導警備員の配置を義務化。架空線など上空施設の損傷事故を防ぐため、
現場の出入口に高さ制限装置を設置するなど、アームや荷台・ブームの下げ忘れの防止も明示した。
 また、落下物による危害防止及び解体工事に関する措置も明確化。足場等の仮設組立・解体時に
対し、事前に危険性評価等を行い、特に災害の発生リスクが高くなる「資材の上げ下ろし作業」は原則
、工事現場内で行うよう規定。落下防止設備を外す場合は、通行止めにするなどの措置を講じるよう
規定した。
 解体工事に関する措置では、施工者は適切な施工計画が立てられるよう、発注者は解体物に関す
る情報を可能な限り提供することも規定。構造物に自立していない箇所の解体では、各段階で安定性
を保つような施工計画を作成するなども規定する。 このほか、あらかじめ荒天時(強風、豪雨、豪雪
等)の具体的な措置として、作業中止の基準や作業中止時の仮設構造物等の具体的な措置を定める
ほか、河川航行中における建設資材の運搬中の公衆災害防止措置も規定。航行する水面の管理者
が指定する手続き等を遵守するほか、建設現場におけるドローン等の無人航空機による操作を行う機
械等に使用での公衆災害防止措置も規定。原則として飛行する空域の土地所有者からの許可を得る
ことも規定。レンタル機械を使用する場合も、必要な点検整備がされていることを確認。歩行者用通路
を制限する場合には、高齢者や車いす使用者にとって安全な歩行者通路を確保することも規定した。



・2019年9月11日号
魅力ある職場環境整備へ 来年度概算要求に要求 国交省・厚労省

 国土交通省と厚生労働省は、来年度の予算概算要求に建設業の人材確保・育成に向けた取組を進
める。建設業が「地域の守り手」として役割を果たしていくためには、将来の建設業を支える担い手の
確保が急務としており、若者や女性の建設業への入職や定着の促進に重点を置きつつ、働き方改革
をさらに進めるため、魅力ある職場環境を整備することが重要としている。
 来年度の予算概算要求には、「人材確保」として、誰もが安心して働き続けられる環境整備(社会保
険加入徹底、定着など)に2億800万円、建設事業主等に対する助成金による支援に62億6、000
万円を要求。「人材育成」でも、若年技能者等の育成等の環境整備として、地域建設産業の生産性向
上及び持続性の確保に3、000万円、中小建設事業主等への支援(建設労働者育成支援事業)に6
億3、000万円を要求する。
 また、「魅力ある職場づくり」として、技能者の処遇を改善し、安心して働けるための環境整備で、建
設産業の働き方改革の推進に2億4、100万円、働き方改革推進支援助成金(仮称)による支援に7
2億9、000万円、働き方改革推進支援センターによる支援に91億円を要求する。
 国土交通省の建設産業の働き方改革の推進には、令和6年度から罰則付き上限規制の適用に向け
、特に民間発注工事での長時間労働の是正、週休二日の確保を図るため、官民一体となって取組を
推進。改正建設業で新設する「著しく短い工期」の契約に係る発注者への勧告に向け、実効性のある
体制も整備。工期に関する基準の策定に向けた調査・検討のほか、工期に関する基準等の受発注者
双方への周知徹底、制度の周知状況に係る実態調査も実施する。
 長時間労働が常態化している現場技術者の長時間労働の是正に向け、専門工事一括管理施工制
度に向けた施工体制の実態調査・分析、現場技術者の配置合理化に向けた事例調査・検討、担い手
確保のための若手技術者の活用の方策の検討なども行う。
 建設業許可等の電子申請化では、令和4年度からの許可や経営事項審査の電子申請化に向け、シ
ステム構築にも取り組む。 このほか、新規として担い手の人材育成と裾野拡大を図る。建設技能者
の技能等の向上を努力義務とする建設業法改正を踏まえ、技能等に資する取組ができるよう、環境整
備するとともに、教育分野と連携し担い手の裾野拡大を図る。
 主な取組は、「建トレ」について、「中堅編(仮)」(現在公開されている「基礎編」と「職長編」の中間位
のレベル)を作成。複数業種が一体となった出前授業の優良事例集の策定、水平展開などを推進。キ
ャリアパス(能力評価基準を踏まえたキャリアパス)、働き方改革の取組、新技術の活用、多能工として
の活躍など、PR方法も構築する。